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■野人、街を往く。
新潟にスターバックスコーヒができた。 それも2店舗。首を長くして待っていたのである。 日頃行列の一員になるのを好まないオレだが、 やはりあのオリジナルコーヒーの魅力はいかんともしがたい。 いともたやすく方針転換出来る機能を持ち合わせている。 緑色と黒のシックなロゴマークが白い紙コップに印刷されているし、 バリエーションあるコーヒはオーダーに応じて作ってくれる。 フランチャイズチェーンにありがちで、そのまったく機械的なサービスでもなく、 きびきびしたにこやかな対応、しかし個人的冗談は通じないだろう。 床を床と感じさせないフロアーをカウンターまで。 落ち着いた現代的雰囲気。時間の単位を妙に意識させる雰囲気。 小さ目の簡単なテーブルと椅子。 大きいガラス窓の外にもそれらがセットされていて、コーヒーを飲む間中、 通りすがりの人から監視されるエリアもある。 きっとそのテラスで飲む時の気分は トム・ハンクスかメグ・ライアンの気分に浸れると思う。 まさか…オレが。ありえない。 画竜点睛を欠く。惜しむらくはロゴのついた紙コップの扱い。 その紙コップの脇に注文に応じたコーヒー名の書いた四角い枠に、 青いフェルトペンでチェックを入れる。 病院での検尿の際、ナースが名前を書き込む姿を思い出さざるを得ない。 あんな感じを思い出すのは品の無い証拠か、 あるいは観察鋭いオレだからかもしれない。 合理的に思えるスターバックス・システムも、 結構唯一アナログ的でホッとする。 ラテが美味かったけど、今回はカプチーノにした。 シンナモンスコーンとで車中で食べるべくテイクアウト用に。 冷めない内に近くのCDショップで、今回目的のCDを探す。 「deep blue」(松居慶子)…あった。 隣のコーナーに「white stone」(secret garden)が見えた。 すかさず買った。 いそいそと駐車場に向かう。 アーバンカウボーイは長居をしない..のだ(笑) ロシナンテに載り、カプチーノを独特な飲み口のカップから一口飲む。 熱くも無く冷たくも無く、泡立ったミルクとコーヒーのバランスがいい。 CDを取り出す。 いつもの事ながらこの歳の眼では外装の透明パーッケージの エンドを探すのにいつも時間がかかる。 人目を盗んで噛り付くときがある。 しかしジレンマを感じながらも今日は見つけた。 誰もクレームはつけないのだろうか、団塊の世代よ。 ようやくコンビニのおにぎりのパッケージを解く術を会得したばかりなのに。 スコーンを紙袋からだして、一口噛り付いてやめた。 はるかにCDの外装よりは食い物なのだが甘すぎた。 「deep blue」が流れる。 アイドリング音とエアコンの音にどうしても混じってしまう欠陥はあるにせよ、 相変わらず透明な、それでいて艶やかなこぶしの効いたピアノを聴かせてくれる。 主戦場を日本からアメリカに替えたJazz-Pianist松居慶子。
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